朝から埋葬

妻を送り出し、車庫の前や中に落ちているナツヅタの落ち葉をひろって、階段下にある落ち葉を入れるところに捨てようとしたとき、俺はなにか違和感を感じた。落ち葉とはちょっと色と質感のちがうものが目に入った。よく見ると、猫だった。

丸まって寝ているようにも見える。触ってみたら、暖かくなかった。それに、ちょっと固かった。死んでると思った。
はじめは誰かが、死んだ猫をそこに放り込んだのかとも思った。だが、それにしてはからだが伸びていない。猫をぶら下げてそのまま放り込んだら、体があんなふうに丸くなることはないだろう。きっと、{おお、あったかそうなところあるぞ、よしよし}と思って、そこで眠ったら、もともと腹が減ってて衰弱していたのか何か病気でもあったのか、そのまま死んでしまったのだろう。まあとにかく、安らかな死だったとは思う。
さて、じゃあ、それをどう始末したらいいのか。とりあえずまだ家にいた下の子を呼んで見せた。上の子に見せるため、夕方までそのままにしておこうかとも思ったが、まだ日中は暑いくらいなので(きょうはそれほどでもなさそう(曇ってるし予想最高気温は22℃だと言っていた)だが)腐敗がすすんでにおってきたり体液がもれ出してきてもいやだし、可及的速やかに処分する方針をかためた。
で、どうしたらよいのか。
いちおう名古屋市のサイトでしらべると、飼っていたペットの場合は有料(名古屋おしえてダイヤル/環境/その他/飼っていたペットが死んだので引き取ってほ...)、道路で死んでた場合は「有料」とは書かれてないから無料なんだろう(名古屋おしえてダイヤル/環境/その他/路上に動物の死骸があるので回収してほしい...)。そりゃ、親切で連絡してるのにカネとられちゃたまんねぇわな。だけど、今回のうちの場合はどうなんだ?道路ではない。ペットでもない。
まあ、それはいいとして、前者のページには“ごみと一緒に焼却することになります”とある。後者のページにはなにも書いてないけど、道路で死んでたんだから、まあそれが当然ということで書いてないんだろう。それに前者と窓口が同じだしね。
うーん、せっかくの生物資源を燃やしちゃうのももったいないなあ。
本当は毛皮がほしいけど、皮を剥ぐの気色わるそうだし、もちろん初めてだし、ちょっと汚なそうだし、防腐処理をどうするか、カピカピにならないようになめすにはどうしたらいいのか等、いろいろ問題がやまづみなので、骨だけでいいことにした。埋葬して、1周忌にでも掘り出せば、たぶん白骨化しとるだろう。
ということで、庭に穴を掘って、中に猫ちゃんを入れました。

猫ちゃんをそこまで運ぶとき、死体を検分してみたら、目立った外傷なはなく、やはり自然死と考えていいと思いました。


ここに埋まってるよ、っていう目印に木の枝をたて、カラスやコヨーテにほじくり出されないよう(そんなに浅くはないけど念のため)石をおいたら、ちょっと墓っぽくなりました。